十和

懐紙の上に乗せた練りきりに
黒文字を差すことで
芸術品のような和菓子が
抹茶の添え物になる


久方ぶりにお茶を点てたい
訪問着を着付けて
髪を結い上げて
釜から湯を柄杓で掬い
釜の蓋を鳴らす
なんとなく茶筅で点てる瞬間より
柄杓使いに心惹かれる
お茶室の空気が懐かしい
畳に染み入るような静寂が
凛とした和の美を湛えている


抹茶を点てたい症候群がきましたよ
まだお点前覚えてるかな−
羽を打ちたい症候群はこの間解消してきたのですが