輪郭

自分のルーツがどこにあるか
そう言われると
はじめに浮かぶひとがいて
その人なしでは今の自分はいないと
イイ意味でも悪い意味でも思えてしまう
自分の価値観が如何に脆弱であるかを
まざまざと見せ付けられたから
狭い世界で生きていたと
すんなり思えてしまって
あとはもう雛鳥と一緒
他の人からみたら
たぶんどうしようもないひと
でも私は今も忘れない


10年ぶりの電話でも
口にする言葉が同じで
立場も世界も道筋も
何一つ同じものなんてなくなったのに
息づいているものに
嬉しいような
悔しいような


自分に対する満足感と信念に
あのひとが変わりなくてよかった