回逅

ついあふれてしまったものに
何も考えられなくて
言葉がたくさん渦巻いている
遠い日の苦みが
すぐ手に届くところにあって
未だ囚われたまま
谺がリフレインする



結局は慣れられない
彼の人にとっては
風化してきたものだとしても
払拭する機会を伺っているのだろうけれど
どうしても受け入れられない
一度受けたものは
忘れられない
その信頼が強いほど
受けた影響が大きいほど
吐かれた虚偽と
感じ取れてしまった悪意は
どう変化しても足りない
溢してしまえばそれでも
頑なに口を閉ざすことが
必ずしもいいとは限らない
粘ついた気持ちが
透けて見えてしまって
身の内にも少なからずあるもの
振りかざせるほど立派でもない
掲げ挙げるものでもない
ただ影を落としてしまったことが
残念でならない



幾度も繰り返して
ようやく噛み締めて
今ここにあるものを
大事にできたのなら
本当はそれだけでいい



苦虫をかみつぶしたような気持ち
早く通り過ぎてしまえたのなら
学生時代の香りが立ちこめていて
上手く息ができない
狂おしいほどの毎日があった
それは間違いない