凍え月

秋の深まりとともに
寒さが増して
穂先から少しずつ紅が差していく
ふと気がつけば
初冬の香りが立ち込めて
季節の移ろいをまた感じてしまう


この校舎で向かえる二回目の冬
なんとはなしに懐かしい気持ちにさせられるもので
あの頃の締め付けるような時間は
まだ色つきで残っている
様変わりした場所も制度も顔ぶれも
それでも振り返りたくなるもので
あんまりいい思い出がないようでいて
その実そうでもなかったような気がして
いい思い出ばかりが鮮明で
上塗りしているみたいですこし面映い
青春という言葉の秀逸さを感じているのです