零れ落つ

日常が色を変えて
ようやくふた月
染み付いた10年の年月は
まだまだ拭いきれない
守られていたんだと実感する
そろそろ
落ち着けてもいい頃だけど
まだちょっと足りない



しんどいとき
不安なとき
抱きしめられる位置にいること
それ自体はステキなこと
だからこそ
それを望んでしまうのは
きっと仕方のないことだけど
してもらえなかったとき
悲しくなってしまうから
もらえるときだけ
喜んでいたい


受け止めてもらえるかどうかを
その都度考えてしまってはだめで
ふと身を落としたとき
一人で立ち上がらなきゃいけない
強くありたい
身震いするほどに



余裕を失いませんように

ふと

なんだかさいきん
めぐりがわるいというか
きがぬけなくて
いそがしいというより
めまぐるしい
ふと息をつきたいなと
おもうことがふえてきて
いつもより
腹を立てることもふえてしまって
よくないかんじです
ゆったりやすみたいな
あとおもいっきりなきたい
だれもきにしないところで




誕生日ってなんとなく
だれかに覚えていてほしくて
だからといって
言いふらすのも違って
これまでつきあってきたひとは
ことごとくおぼえていてくれないのだけど
ふと思い出すことは
たぶん悪いことではない
なつかしいと思えることも
きっと大事なこと
ことさらに口にすることはしない
ただきえてなくなるものでもないから
いままでをつくってきたもの
すべてに感謝を

いちねん

たくさんの人たち
関わる人の多さに
目が眩みそうになる
どうしても
伝えきれないものが
気づいてほしいものがあって
後から後から
手ですくい取るみたいに
時が
流れ落ちていく


ただ自分の関わるひとだけ
それだけで違うはず
心地いい言葉と
嬉しい成長と
向き合いたい
感じ取っていたい
懐かしい声が聞こえるから


社会全部を動かすには
まだ足りない
これからの形が見えない
目指したいもの
突き動かす何か
私が大事に想っているひとたち
きっとずっと続いていく形
叶うのであれば
またどこかで
めぐり逢いたい
たくさんの生徒たちに

日の出と共に向かい
夕焼け空を校舎から眺める
田園都市線から
富士の高嶺が垣間見えると
なんだかいい気分


そんな生活を送りながら
少しずつ時を重ねて
安らぎと
懐かしさが溢れた校舎
帰ってきたように思う


自分以外のことをできるのは
余裕がある証拠だと
口にする意味はわかるけれど
この部署のひとたちには
なかなか難しそうで
最低限の仕事
授業の質
情報の伝達
担任業務
生徒扱い
力を入れる部分と
そうでない部分
主義とか主張とか


誉めてもらえるのは嬉しいけれど
もう少し色々やれたらいい
まだまだ足りませんね

最果て

いままで
ずいぶんと廻り道をして
いろんな状況ですごしてきて
それでもどうしても諦められなかったもの
諦めてもらえなかったもの


責めたことも
責められたこともなく
ただ単純に
意志と意図を合わせることより
その空間を共有することや
許し合うことを
分け合うような
預け合うのではなく
押し付けるのでもなく
純粋に
そのとき感じたものだけ
暖かさと
その罪を
たとえその中だけでしか
果たせないものだとしても


じわじわと湧いてくるまで
無理に形にしなかったからこそ
ここまですんなり
来られたのかもしれないけれど
抵抗は終ぞない
やっとそれでもいいと思えたのだから
喜ばしいものなのかもしれない
世の中のしくみは
いまだによく入ってこないけれど
もうしばし待ちましょう

回逅

ついあふれてしまったものに
何も考えられなくて
言葉がたくさん渦巻いている
遠い日の苦みが
すぐ手に届くところにあって
未だ囚われたまま
谺がリフレインする



結局は慣れられない
彼の人にとっては
風化してきたものだとしても
払拭する機会を伺っているのだろうけれど
どうしても受け入れられない
一度受けたものは
忘れられない
その信頼が強いほど
受けた影響が大きいほど
吐かれた虚偽と
感じ取れてしまった悪意は
どう変化しても足りない
溢してしまえばそれでも
頑なに口を閉ざすことが
必ずしもいいとは限らない
粘ついた気持ちが
透けて見えてしまって
身の内にも少なからずあるもの
振りかざせるほど立派でもない
掲げ挙げるものでもない
ただ影を落としてしまったことが
残念でならない



幾度も繰り返して
ようやく噛み締めて
今ここにあるものを
大事にできたのなら
本当はそれだけでいい



苦虫をかみつぶしたような気持ち
早く通り過ぎてしまえたのなら
学生時代の香りが立ちこめていて
上手く息ができない
狂おしいほどの毎日があった
それは間違いない