移ろい

寒さに凍える朝
白い息が物悲しい気持ちを誘う
気がつくと新年が明けて一月が過ぎようとしている


3年の月日が飛ぶように過ぎて
もう、そろそろ旅立つ先を決めるところ
必死になってからの彼女たちに
少しでも何かを残せますように
つなぎとめることよりも
大事なものがあって
この迷いの中に、ちょっとだけでも
気持ちを乗せることができたのなら
心を賭して過ごしていたいと思う
願っているのは悔いなく清々しく先を見つめていけること
44人分の未来と
36人強の未来を
今も温めているのです
気持ちだけでも馳せていたい
もう願うことくらいしかできない人も
まだまだアシストできる人にも
心からのエールを

凍え月

秋の深まりとともに
寒さが増して
穂先から少しずつ紅が差していく
ふと気がつけば
初冬の香りが立ち込めて
季節の移ろいをまた感じてしまう


この校舎で向かえる二回目の冬
なんとはなしに懐かしい気持ちにさせられるもので
あの頃の締め付けるような時間は
まだ色つきで残っている
様変わりした場所も制度も顔ぶれも
それでも振り返りたくなるもので
あんまりいい思い出がないようでいて
その実そうでもなかったような気がして
いい思い出ばかりが鮮明で
上塗りしているみたいですこし面映い
青春という言葉の秀逸さを感じているのです

white

なんとはなしに続けてみます
誰かが読んでいるかもしれない、というスリルすら面白いものです

毎日
朝は早くて帰りも遅くて
かといって残業代という概念は存在しなくて
それでもがんばりたいと思うのは
可愛い生徒たちがいるからで
信頼してくれているのがうれしくて
いろんな相談を受けるのも
そういう気持ちが見えてとてもうれしい
本来の「教える」作業に費やしている時間よりも
精神的なものや家庭の部分を支えることのほうが
何倍も多い
それがいいことなのかどうかは
わからないけれど
持てる力の限りで
満足のいく仕事をしていたいと思う
幸いにも授業に価値を見出してくれている生徒も多く
(講習などなど満員御礼^^)
個別で質問や相談に乗る場面も多くて
本当に恵まれた環境にいるなと思う日々
最上位をもたせてもらったことも
この目まぐるしさに拍車をかけているけれど
ほんとうに充実した一年を過ごさせてもらっている
仕事が楽しい
この感覚を忘れたくない
周りの環境や生徒、保護者、外部の方々
色んな人たちのめぐり合わせもあるけれど
自分の選んできた毎日を
しみじみと感じているわけです
日々伸びていく生徒と毎日接しているのは本当に楽しい
一番成長してくれるときだと思うのです
精神的にも学力的にも
このキラキラした瞬間に立ち会える喜びは大きい

折々


新緑
紅葉
Christmas tree
雪景色


季節を愛でる
ふとした瞬間
誘われて出掛けた場所が
口実だったと知って
思わず綻んでしまった


お花見しようと
意気込んだとき
どうして乗り気でなかったのか
ようやくわかった
そんな可愛いひとと
隣にいられること
きちんと感じていられますよう


ときどき忘れてしまう
でも間違いなく
これまでのどんな関係ともちがって
ひたひたとあたたかい
手を離さなくていい関係は
芯から支えてくれる
きっとみんな
こういう安心感みたいなものを
約束していて
まるごとすべてで
でもぜんぶじゃなくて
掌で形を確かめて
手繰り寄せて
そんな風にして
あたためていられるもの
緩やかに育てていきましょう

積もるもの

担任というしごとは
無関係にしようとすればどこまでもそうで
関わりを大事にすればするほど
暖かくなるものなのかなと思っているところ


生徒たちからの言葉は
どれもとてもうれしいものばかりで
お祝いの言葉ももちろん
日常的にもらえる
これからもずっと、という繋がりを
とてもほこほこ抱いているところ
きっと
このはじめてのクラスを忘れることはない
問題もたくさんあったし
わるいこともたくさんしたし
未だに人の話を聞けない子もたくさんいるけれど
みんな可愛くて可愛くて
これだけ見ていればいい子も悪い子もなくて
等しく将来がたのしみになってしまう
どんな大人になっていってくれるかな
夢がきらめいていて
まぶしくて仕方ない
願わくば素敵な人生を
そして素敵な世界を作っていってほしい
彼女たちが世の中に出ていくときに
ふと何か残せたらそれだけで
この職に就いた意義があるんじゃないかと思うのです
これはまだ先の先のお話

由良

大きく深呼吸
なんとなく落ち着いて
一息ついて
共に暮らすことで
目まぐるしい毎日を
共有しているところ
互いのこれまでを
緩やかに温めて
幸せの形を確かめるみたいに
家族になること


休日の午後
家族連れに目をとめては
すぐ近くの未来に馳せる
働くことの尊さと
自分を支えてくれるものたち
できるだけ
受け止めていたいけど
家族としての在り方もまた
いいなぁと思っているのです