翻す

いつからか
目の前を過ぎていく時間が淡くなって
暗闇にたたされるわけでもなく
何度となく寄せては返すさざなみのよう
飛沫に溶けた溜息のように
ふと繰り返しては消えていく物思い


裏切りはどこからどこまでがそうで
どこから先が見えなくなるのだろう
ときどき忘れそうになる
ときどき抱きしめていたくなる
そんな衝動と付き合っていくうちに
少しずつ形を変えて
大事だった日々がある
なつかしい気持ちがある
鮮やかな日々を今になって思い起こす
今にして思えば本当に楽しかった
変なことばかりしては思い出すけど
元気にしているかしら
SNSでの近況はちょっと遠くてなんとも言えず


自分に起こっていたことを
正しく記述することもできないのに
それでも相談された内容にシンクロする部分はあって
登校忌避をする子たちの気持ちが
私にはちょっとわかる
億劫で耐え難いものに感じてしまう気持ち
今思えば、素直にカウンセリングにかかっておけばよかった
自分が病気だと認めることが怖くて
かえって遠回りをしてしまった
スクールカウンセリングや教育心理
いろんな事例を知って
ようやくあのころの正体をつかんだような気持ちでいる
誰かに助けて、という気持ちを吐露できていれば
もっと早く抜け出せていただろうか
怖くて怖くて、恐ろしくて蓋をしてしまった
自分を守るために逃げ出してしまう
向き合いたくなくて見ないふりをしてしまう
わかりやすい逃避の形は
それでもよかったのかもしれない
壊れてしまうよりずっといい
立ち向かい続けると辛くて苦しくて途切れてしまうから
もっと周りを信頼できていたら
もっと周りが味方だと思えていれば
肉親でも友人でも先生でも
誰か一人でも剥き出しの弱音をぜんぶ吐ける相手がいれば
それだけできっとうれしくなれる
結局他人にしか癒されない部分もあって
だからこそ人は恋愛したり友情を求めたりするのだけど
認めてもらえることの幸せを感じる手段として
結婚という形はわかりやすいのかもしれない


自分の気持ちと相手の気持ちを大切にできますように